近年、F1の世界では若いドライバーの台頭が目覚ましいですね。アントネッリやベアマンといった才能あるルーキーたちが注目を集めています。しかしその一方で、実力を持ちながらもF1への切符を掴めずにいるドライバー達がいます。その中には、ホンダの育成ドライバーとしてF2で活躍した岩佐歩夢の名前も。今回は、そんな「選ばれなかった」ドライバーたちにスポットライトを当てた記事がRedditで話題に。海外のF1ファンは彼らの現状と将来について、どのように考えているのでしょうか?
記事内で言及されたドライバー
– ユーリ・ヴィップス
– ゼイン・マロニー
– ヴィクトール・マルタンス
– フレデリック・ヴェスティ
– 岩佐歩夢
– テオ・プルシェール
– フェリペ・ドルゴビッチ
引用元:Seven drivers left behind by F1’s rookie revolution [The Race]
消えた天才、ユーリ・ヴィップス
かつてレッドブルの秘蔵っ子として将来を嘱望され、F1への最短距離にいたユーリ・ヴィップス。しかし、自身の配信中の問題発言が原因で、そのキャリアは暗転してしまいました。彼の才能を惜しむ声は今もなお、多く聞かれます。
“Vips wasn’t left behind by a rookie revolution. He was left behind because he decided to say a racial slur on his twitch stream. Had he not, I suspect he’d have been in Lawson’s position now. Marko loved the kid.”
「ヴィップスはルーキー革命の犠牲になったんじゃない。Twitch配信で人種差別的な発言をしたから取り残されたんだ。 もしあんなこと言わなければ、今のローソンのポジションにいたかもしれないね。マルコは彼のこと気に入ってたし。」
↑”His slur was the final nail in the coffin, he was already making a lot of mistakes in f2 which were costing him points and sometimes even wins”
「差別発言は最後の一押しだったね。彼はその前からF2でたくさんミスを犯して、ポイントを失ったり、時には勝利を逃したりしてたし。」
↑”Max already survived saying a slur, he’s immune lol”
「マックス(フェルスタッペン)は既に差別発言をしても生き残ってるからね。彼はもう無敵だよ(笑)」
↑”What did he say and when?”
「マックスは何て言ったの?いつ?」
↑”Something that rhymes with bong, used to describe people with Downs syndrome. FP2 Portimao 2020.”
「確かFP2の時にダウン症の人を侮辱するような発言をしたんだったかな。2020年のポルトガルGPだったと思う。」
岩佐歩夢、厳しい現実
ホンダの育成ドライバーとして、F2で活躍を見せた岩佐歩夢。しかし、その才能を持ってしても、F1への道は容易ではないようです。
“If iwasa wasn’t 23 I believe he’d be in contention for a seat but I don’t think he’s gonna get that much attention by teams”
「岩佐が23歳じゃなければ、シート争いに加われたと思うんだけどね。でも、今の年齢だと、チームからの注目を集めるのは難しいんじゃないかな。」
↑”failed to string an F2 title campaign together in a rocketship DAMS and didn’t perform heroics in SF like Lawson did – I don’t think so”
「ロケットシップのDAMSでF2のタイトル争いができなかったし、ローソンのようにスーパーフォーミュラで活躍したわけでもない。F1は厳しいと思うよ。」
↑”That’s what I mean man. If he did these things when he was 19 I would say we could see him in f1 but currently no way”
「そうなんだよね。もし彼が19歳でこれらの成績を残していたら、F1への道もあったかもしれないけど、今の状況では難しいと思う。」
“Vesti, Iwasa, and Drugovich have to hope for a for a shot as a reserve driver and to maximize in like Lawson, Colapinto, and Bearman were able to. And Vesti has it even more challenging than the other two, since Mercedes has Bottas as a reserve driver as well.”
「ヴェスティ、岩佐、ドルゴビッチは、リザーブドライバーとしてのチャンスに望みをかけて、ローソンやコラピント、ベアマンのように、そのチャンスを最大限に活かすしかないね。そして、ヴェスティはメルセデスにボッタスというリザーブドライバーがいるから、他の二人よりもさらに厳しい状況だ。」
テオ・プルシェール、復活はあるか
ザウバーのリザーブドライバーを務め、かつては「ルクレールの再来」とまで称されたテオ・プルシェール。大きな期待とは裏腹に、F1への道は閉ざされつつあるように見えます。
“IMHO the best are Pourchaire and Martins from that list.”
「個人的には、このリストの中でベストなのはプルシェールとマルタンスだと思う。」
↑”Drugovich was also fantastic in his championship season.”
「ドルゴビッチもチャンピオンを獲得したシーズンは素晴らしかったよ。」
↑”Agree but IMHO Drugovich is a typical case of one season wonder (that doesn’t mean he’s bad though, but maybe not as good as others on that list).”
「同意だけど、ドルゴビッチは典型的な一発屋だと思う(彼が悪いってわけじゃないけど、このリストの他のドライバーほどではないかもね)。」
↑”True. He also had Novalak as teammate. Maybe that MP car was fastest by a country mile and we just didn’t realize it. He also had ridiculous reliability.”
「確かに。彼のチームメイトはノバラクだったしね。もしかしたら、MPのマシンが飛び抜けて速かっただけで、気づかなかっただけかもしれない。それに、彼のマシンの信頼性は異常だった。」
↑”Drugo is a third season champ. They’re not seen in a good light normally. Specially after NDV came in a shat the bed hard.”
「ドルゴビッチは3年目のチャンピオンだしね。普通はあまり良い印象を持たれない。特にニック・デ・フリースが大失敗した後ではね。」
↑”And by winning F2 in his third year in a weak field after being mid in years prior.”
「それに、F2でチャンピオンになったのは3年目で、それまでは中団にいたような選手だったし、その年の競争レベルも高くなかった。」
↑”It was a decent field he beat. Got F1 drivers Lawson, Sargeant and Doohan on that grid. Plus Pourchaire who was highly rated.”
「彼が打ち負かしたフィールドは、なかなか良かったと思うよ。ローソン、サージェント、ドゥーハンといったF1ドライバーもいたし、高く評価されていたプルシェールもいた。」
↑”Feel like theo pourchaire really got dicked over by the sauber academy, and by mclaren in indy car.”
「テオ・プルシェールは、ザウバーのアカデミーと、インディカーのマクラーレンに振り回された感じがする。」
フェリペ・ドルゴビッチ、逆転のシナリオは?
2022年のF2王者ドルゴビッチ。アストンマーティンのリザーブを務める彼ですが、F1への道は険しいのが現状です。しかし、ファンの中には彼の逆転劇を期待する声も多く、特にキャデラックのF1参入(2026年)が鍵を握ると見られています。
“Of that list, Drugovich is the only one that I can still see getting on the grid, although he might have to wait until 2026 when Cadillac join up.”
「このリストの中で、ドルゴビッチだけはまだF1グリッドに加わる可能性があると思う。2026年にキャデラックが参入するまで待たなければならないかもしれないけどね。」
↑”who will give Drugovich a shot when he’s barely raced in years, especially with new talent coming up (actively racing) and halfway decent but experienced drivers available?”
「ドルゴビッチはここ数年ほとんどレースに出ていないのに、誰が彼にチャンスを与えるんだろう?特に、新しい才能がどんどん出てきていて、そこそこ優秀で経験豊富なドライバーもいる中で。」
↑”Cadillac will want a known quantity as well as some F1 experience. If they can’t get an American driver on the grid right off the bat, the next best option will be a driver that is marketable. […] The only thing that doesn’t make this a nailed on thing is that Cadillac will probably want to put an American straight into F1 to fulfil the “marketing” role, but at the moment none of the potential candidates have the superlicense points required to make that a reality. So if I’m Drugo, I’m reasonably confident that if I have a great season in IMSA then surely I’m a solid candidate for an F1 shot.”
「キャデラックは、実績のあるドライバーとF1の経験を求めるだろう。すぐにアメリカ人ドライバーをグリッドに並べられない場合、次に最適な選択肢は、市場価値のあるドライバーだ。[中略] 唯一の問題は、キャデラックが『マーケティング』の役割を果たすために、アメリカ人をすぐにF1に参戦させたいと考えていることだ。しかし、現時点では、その候補となるドライバーは誰もスーパーライセンスポイントを持っていない。だから、もし私がドルゴビッチなら、IMSAで素晴らしいシーズンを送れば、F1へのチャンスは十分にあると確信しているだろう。」
↑”He’s not in line for a seat driving in ELMS a few times or sitting in a garage every week. Whereas he might be if he was in the rumoured IndyCar, WEC Hypercar, or FE seats, and he could still stay as an f1 reserve with some of those jobs”
「ELMSに数回出場したり、毎週ガレージに座っているだけでは、F1シート獲得に近づけない。噂されていたインディカーやWECのハイパーカー、フォーミュラEのシートを得ていれば、まだ可能性はあったかもしれない。しかも、それらのシートを得ながら、F1のリザーブドライバーを続けることもできただろうし。」
↑”Drugo was not left behind by the rookie revolution. He was left behind because of someone having a loving father.”
「ドルゴビッチは、ルーキー革命の犠牲者なんかじゃない。彼は、息子を溺愛する父親のせいで取り残されたんだ。」
まとめ
今回のスレッドでは、F1シート獲得が叶わなかった若手ドライバーたちについて、海外ファンから多くの意見が寄せられました。その中には、岩佐歩夢選手を含む、才能がありながらもチャンスに恵まれないドライバーの名前が挙がっていました。F1のシートは限られており、才能だけで生き残れる世界ではありません。しかし、彼らがこの経験を糧に、レーシングドライバーとしてさらなる高みを目指してくれることを期待したいですね。





コメント